地場建売業者

地場の建売業者から嘆きの声が大きくなってきた。建売大手業者とのせめぎあいに疲れた悲鳴に聞こえる。
まず第一は地場の建売業者は仕入れが難しくなっている。大手業者との仕入れ競争で仕入れ値で負けてしまう。大手業者は、計画戸数を確保するため価格においても強引な仕入れをする。1割2割高値でも買いさらっていく。
さらに、条件の難しい土地、敷地延長の区画などもためらいなく買っていく。
大手業者は、そうした土地の高値が販売価格を押し上げないように建築費を徹底して切り詰める。工期の短縮や躯体工事の省力化及び建設材の規格化や一括仕入れその他でコストダウンを図り、分譲価格は地場業者の同程度の物件に比べて一割以上安いのも珍しくない。この価格競争に地場業者はまず勝てない。
では、地場業者はどのように対抗していけばいいのだろうか。品質、アフターサービス、あらゆるサービスを声高に唱えても同じ顧客に何度も売ることはめったにない商品で、大手との差別化を図るのは並大抵のことではない。
しばらく静観しているしかないというのも情けない。ここは、一棟現場を中心に高価だが満足できる商品開発を図るしかないのではないだろうか。とにかく住宅一等地を選択する。住環境の優れた地域を徹底して攻める。特に昨今防犯については消費者の関心は高い。街ぐるみで犯罪を押さえ込む取り組みをしている地域は、一割安い物件にも負けない価値があると考えるがいかがだろうか。