血液の癌

半年振りに戻ってきた。
友人であり横浜支部支部長が、長い、辛い、苦しい、骨髄移植手術を終え帰還した。彼が盛んに言うのは、自分がたいへん運が良かったと。骨髄バンク、善意で登録した人も、いざとなるとあの痛さに耐えられなくて逃げてしまう。逃げるという表現は良くないかもしれないが、登録時にしっかりした説明を受けてないというのが問題かもしれない。
運良く、ありがたいドナーと出会い、無事に手術は終えたものの術前、術後の生活は悲惨だったらしい。抗がん剤、良い菌悪い菌すべて殺してしまうから、身体中の臓が一時的に攻撃を受け、すさまじい痛みを伴う治療を強いられたらしい。彼は、急性白血病ではないが、種類は同じ血液の癌、移植以外に効果的な治療はなかった。
前の彼は、タバコも吸うし、酒も飲んでいた。今の彼は、タバコはもちろん、医者に止められてはいないが、酒も飲まない。というか、酒を飲みたいとも思わないらしい。入院前の彼は、甘いものは一切口にしなかったが、今はケーキや、あんこを欲しがるらしい。
ドナーがA型の血液型、彼はB型、術後は95%がA型、残り5%がB型だという。そうなことがあることさえも知らなかった。味覚が変わったようにそのうち性格もA型に変わるのかもしれない。
術後100日を越えた今日、安定期に入った彼の回復に乾杯してきた。