樽を揺らして

 樽を揺らして恋の熟成を待つ。

 田辺聖子の随筆にあった。若い男女の恋愛小説を書き続けた彼女、特に恋している女の心理を描くのがうまい。樽を揺らす、好きな男を揺さぶるということなのか、揺さぶりながら男からの反応を楽しむ。男は、揺らされ遊ばれていることに気付かず、良い味、良い香りを熟成していく。

 やはり、男は女に育てられるのか?