プロフェッショナル

大前研一の「ザ・プロフェッショナル」を、読んだから言っているわけではないけど、今回の一級建築士による耐震計算書の偽造事件はひどいね。張本人もひどいけど、民間検査機関もひどい。コメントを聞いているとまるで他人事のようだ。張本人は「検査機関が甘い」と言うし、検査機関は「書類を見ても分からない」と言う。結局、どっちも要らないということだね。
一級建築士といえば国家が資格を定めている「プロとして活動できる人たち」、医者や弁護士、公認会計士、いわゆる「士族」と言われている人たちだ。資格は持ってはいるが、医者でもどうしようもないやぶはいる。弁護士だって横領したり、恐喝する人はいる。公認会計士の監査だってええかげんということが問題になったばかり。資格があるからってすべて信じて良いという世の中ではない。どの分野でも、一部の不心得者の不届きな仕事によって、それぞれの専門家看板に泥を塗っている。今回の偽造事件で、今後ますます耐震構造計算は繁雑となり、行政からのチェックが厳しくなるだろう。そのことは当然のように建築コストに反映され、最終の消費者の負担となる。嘆かわしいことである。
使えない「士族」より、消費者本位の「不動産業者」を選択し、不動産業者の眼力を通して専門家を選択するのが良いと思うが、いかが?