家探しFAX

toshiaki_yamai2006-10-04


もう10以上前の話だが、athome社が家探しFAXというサービスを始めたことがある。仲介を主とする我々業者は、消費者に直接情報を提供するこのサービスに猛反対した。athome会員は、業者間情報を配布することにより、客付けを迅速に達成することを期待していた。そうして集めた情報を直接消費者に提供するということは、客付けを主たる業務としている業者にとっては容認できないというのが反対の理由だった。
athome社にとっては、配布依頼を受けたからには早期成約を支援したい。それには、業者配布だけでなく、消費者へ情報提供することも有効ではないかと考えた。その結果、元付け業者が両手手数料を獲得することになっても、配布依頼者が喜んでくれれば、配布図面も増えると考えるのは、商売人として当たり前だろう。
しかし、客付け業者を中心とした反対運動は首都圏各地に広がり、結局家探しFAXは中止することになった。
athome社にとっては、長年不動産流通市場でお付き合いした業者との軋轢は、懸命でないし、社風に反するとの判断だったのだろう。仲介業者との付き合いのほうを結果として大事にしたことになる。
以来athome社のスタンスは現在まで変わっていない。
1995年、インターネットが普及し様相はがらりと変わった。2003年には、国交省が主導し不動産ジャパンを立ち上げ、かつての家探しFAXに反対した客付け業者も、大きな反対の声も上げず受け入れている。
今、現在不動産流通市場で何が起きているか、業界もよくよく認識し、依頼者と消費者、業者と依頼者、元付け業者と客付け業者の関係を十分に吟味し、新たな関係と、新たなルールを構築していかなければならない。
不動産情報は誰のものか?
※画像は、またまた始まった本郷台隣接地のマンション建設現場。今度は日本綜合地所本郷台駅周辺の山がどんどんなくなっていく。