便利さの影で

SUICAを愛用していたが、最近モバイルのほうに変えてみた。クレジットカードと連携しているので、とても便利で、いちいちチャージする手間が省け、まことに便利だ。グリーン券も、グリーン車の座席についてから、携帯で購入すればよい。朝などは、グリーン車といえども座れないときがある。それでもグリーン券が必要で、事前に買って乗ると後悔するときがある。座ってからゆっくりと携帯を広げ、購入すればそういうストレスもなくなる。
しかし、モバイルSUICAは自分の行動をすべて記録しているわけで、どこかに自分の行動が詳細に記録されていると思うとぞっとする。便利さと引き換えに、個人情報を危険にさらしているのだ。
それに、切符を買うということをしなくなったので、いったい東京まではいくらかかるのか、新宿まではいくらなのかというのが頭から消えてしまう。ざる勘定に慣れてしまう危険性もある。
そんなことを考えながら本郷台で下車し、改札に向かう地下道に写真のような菊が飾ってあった。鉢には作成者の名札が立っている。冬になっても枯れない菊でなくて良かった。あまりの便利さは、情緒をなくす。手塩にかけた菊が人を和ませ続けることに、まだまだ捨てたものでもないなと。